※この作品は厳密には映画ではないのかもしれないけど
今年の初夏に映画館で上映されたので、カウントします

アニメーション作家 川本喜八郎の世界  
2021年・日本

2021年10月7日(木)  WOWOWプラス

監督  
各話の演出は川本喜八郎 
イントロダクションのディレクターは原奈保子

声の出演  
「花折り」 黒柳徹子
「火宅」 観世静夫

感想
時間割はおおむね、順番で
「イントロダクション」10分 → 「花折り」10分 → 
「鬼」10分 → 「詩人の生涯」20分 → 
「道成寺」20分 → 「火宅」20分 でした。


「イントロダクション」では、
イジー・トルンカ監督に師事していらしたと知り、
仰天しつつも納得しました。 
他に知らなかった情報もいくつかあり、おぉとか思いました。


「花折り」の感想
小僧さんがお酒を飲むのがどうしても受け入れられず、
無理やり「小僧さんに見えても大人なんだろうか?」と思ったけど、
それでもお寺の下っ端が住職の留守にあんなことするか?と
楽しめませんでした。
ちんどん屋?の衣装(特に裏地)が美しかったです。


「鬼」の感想
今昔物語という大昔の話でも、ちょっとねえ・・・。
貧乏と言いつつ、息子二人の衣装が良すぎない?
母・本人は孤児で生まれ、夫に冷たくされ、貧乏で、長患い、というけど
それだからって、「我が子を喰う」か??? イミフ。
鬼の人形はちょっとビックリしたけど、このあと2つにも出てきたので
流石に最後は飽きました(笑)。


「詩人の生涯」の感想
非常に忍耐のいる作品だった。
サイレント映画形式で、字幕が入るんだけど
いちいちイラッとする。
絵としては(これは完全2D)母親が「糸になって消える」という
あのシークエンスが秀逸でしたが、他は暗すぎて
今のご時世にも通じるような、貧富の戦いは見たくなかった。


「道成寺」の感想
初めてきちんと道成寺の話を知ったような気がします。
怖くて、可哀想・・・しかし顔(みてくれ)で好きになるってねえ(笑)。
何気においていかれたお師匠さんが気になりました(笑)。
最後に娘がああして、若い坊さんがああなったことは悲しかった。
全てが風に流れる演出は美しかったです。


「火宅」の感想
前の作品同様、見てくれか?と(笑)。
500年は長いなあ。
しかし、そんなに信心深いなら、おしどりがああなる前に
出家すれば良かったのでは?
観世さんの声は、懐かしく、うっとりしました。


全体の感想
私は「三国志」のファンだったのでこの人の人形には
親しみもあり、愛着もあります。
ただ、今回のこれらの作品は、内容がアレなのばかりで(笑)
映画館で見ていたら逃げられないし、困っただろうなと思いました。
早いオンエアで嬉しかったです。
これからも川本喜八郎さんの作品や人形を見たいと思います♪





これらのお話の結末

花折り
ちんどん屋にさんざん酒を飲まされ、眠らされた小僧さんは
花を枝ごとごっそり折られたのも知らず、爆睡。
住職が帰ってきて、起こされて、平謝り。

息子を殺そうとした鬼の腕は見覚えがあり、二人は急いで帰宅した。
やはりそこには鬼となった母親が腕を切られ、のたうち回っていた。
やがて死んだ。

詩人の生涯
母のジャケットは飛んで息子のところへ、息子は溶ける。
やがて雪がやみ、皆溶けた。
多くのジャケットが余っていたので、皆で分配した。
春まだ浅き日、皆が喜んでいる。

道成寺
鬼から蛇になった娘は男をモノに出来ず、川で自死した。
鐘の中からは燃えた骨が出てきた。
風に乗って骨は灰になり、飛んで行った。
数珠が残り、道成寺の皆は、拝んだ。

火宅
500年前の話を聞いてもらい、
その姫は多少は成仏できたようだ。
旅の僧侶は恐ろしい一晩を明かし、旅路を急いだ。